ジネンジョの定芽利用栽培における茎頂培養株を利用した効率的な種イモ増殖法


[要約]
ジネンジョの商品化率向上のためイモの肥大率が良い茎頂培養株を用いて、定芽利用栽培(1本イモ栽培)に適する種イモ生産のための増殖法を検討し、寒冷紗隔離ハウス内で優良種イモを効率的に生産する「切片増殖法」を開発した。
石川県農業総合研究センター・育種栽培部・野菜科 
[連絡先]0762-57-6911    
[部会名]野菜・花き  
[専門]繁殖  
[対象]根菜類     
[分類]普及   

[背景・ねらい]
従来のジネンジョ栽培は種イモを分割し、約1ヶ月間催芽処理を行い、圃場に定植する方法であった。この方法は催芽処理中や定植後に腐敗イモの発生が多いこと、栽培株のほとんどがウイルスにり病しており、イモの肥大率が低いことなどにより生産が不安定であったことから、これらの問題解決のための新技術の開発が要望されていた。そこで肥大率の良い茎頂培養株の切片イモを種イモ生産用に用いることで、種イモの分割や催芽処理の不要な「定芽利用栽培」を導入し、良質・多収生産を行うための種イモの効率的な増殖条件を明らかにした。 

[成果の内容・特徴]

  1. @定芽利用栽培では種イモ重量が最低100g程度あると、新生イモ重量が出荷規格の最低重量である300g以上となり、収穫イモのほぼ全量が出荷できる(図1)
  2. A切片イモの株間隔は1cmから5cmと広くなる程、種イモ重量は増加する傾向にある。実用的な株間隔は100g以下のイモの割合が少なく、100g程度のイモの割合が多い2cmが適する(図2)
  3. B株間隔2cmの場合、切片イモの重量を15gと20gで比較すると、生産される種イモ重量の差が少ないので、切片イモの個数が多く確保できる15gが適する(図3)
  4. C切片イモを寒冷紗隔離ハウスで、畦幅 130cm、株間隔2cm、1条植えで波板栽培を行うと、100g以上の種イモが畦面積 3.3m2で約 120本得られる。

[成果の活用面・留意点]

  1. @種イモ増殖は幅 130cmの畦に長さ70cmのプラスチック製の波板を約15度の傾斜させて置き、波板の上に厚さ5cm程度の山土の層を作り、畦を形成する。その上端の深さ2cm程度の位置に切片イモを植え付け、イモが畑土に直接触れないように栽培を行う。
  2. A茎頂培養株の維持増殖は、寒冷紗隔離ハウスを使用する。
  3. B定芽利用栽培により定植時期の大幅拡大(早春〜5月)が可能となる。

[その他]
研究課題名:ジネンジョ茎頂培養株の栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成5〜8年)
研究論文等:ジネンジョ定芽利用栽培における茎頂培養株の生産性と効率的な種イモ増殖石川県農業総合試験場研究報告 第19号、1996.
       
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