発泡スチロール箱とドライアイスを利用した早生リンゴの鮮度保持効果


[要約]
早生リンゴの「きざし」と「さんさ」を 発泡スチロール箱に詰め、ドライアイスを封入 して貯蔵すると、ダンボール箱貯蔵のものより果実硬度の低下が少なく、2日程度長い鮮度保持効果が認められた。
石川県農業総合研究センター・育種栽培部・果樹科
[連絡先]0762-57-6911    
[部会名]果 樹 
[専門]加工利用  
[対象]果樹類   
[分類]指 導   

[背景・ねらい]
早生リンゴは常温での日持ち性が7日以内と短いため、消費が伸びず、生産振興のネックとなっている。 そこで早生リンゴの生産・販売を促進するため、冷蔵庫を使用しない簡易な鮮度保持法の確立を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. @収穫後5℃に予冷した「きざし」の果実を21リットル容量のダンボール箱に詰めて貯蔵したものは、貯蔵6日後の果実硬度が鮮度の限界値である10.0ポンドまで低下した。一方20リットル容量の発泡スチロール箱に900gの冷凍した保冷剤を封入したものは11.3ポンド、500gのドライアイスを封入したものは14.0ポンドで、ダンボール箱貯蔵のものより鮮度保持効果が認められた(表1)
  2. A「さんさ」の果実を9リットル容量の発泡スチロール箱に詰め、300gのドライアイスを封入して6日間貯蔵すると果実硬度の低下は少なく、他の貯蔵法のものに比べて硬度は2ポンド以上高かった。各貯蔵法の6日以降における硬度低下率から推察すると、ドライアイスを封入して貯蔵したものは他の貯蔵法より2日程度長く鮮度が保持されるものと考えられた(表2)
  3. B予冷しない「さんさ」の果実をダンボール箱貯蔵したものと予冷した果実を発泡スチロール箱で貯蔵したものでは、6日と12日後の硬度に差は認められなかった(表2)
  4. C予冷した「さんさ」の果実を発泡スチロール箱で貯蔵した場合の品温は室温より約38時間低く保たれ、ドライアイスを封入した場合の品温は封入しない場合と比較してやや低く(3.2℃以内の差)経過し(図1)、硬度の低下も少なかった(表2)
  5. D硬度の低下が少なかったドライアイス封入貯蔵の場合には、貯蔵容器内のCO2濃度が高く、果実のCO2排出量も高かった(表3)

[成果の活用面・留意点]

  1. @この技術は早生リンゴの直売や宅配販売に利用できる。
  2. A発泡スチロール箱やドライアイス等の資材費が必要である。
  3. Bドライアイスの貯蔵設備が必要となる。
  4. Cドライアイスや保冷剤は貯蔵果実と接触しないようダンボール紙等で包装して封入する。

[その他]
研究課題名:温暖地リンゴの生産安定化と高品質果実生産技術の確立
予算区分 :国補(地域重要新技術)
研究期間 :平成8年度(平成5〜9年)
研究論文等:なし
       
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