ウメ植栽における地下水位の指標


[要約]
地下水位が地表より20〜40cm程度と高いと、地上部および地下部の生育は劣り、根の活性も低くなり、高い地下水位はウメ樹の生育阻害要因であった。水田転換園などでウメ樹を健全に生育させるためには地下水位は60cm以下にする必要がある。
福井県園芸試験場・果樹研究チーム 
[連絡先]0770-32-0009   
[部会名]果樹 
[専門]栽培  
[対象]果樹類   
[分類] 普及   

[背景・ねらい]
ウメは傾斜地で栽培されてきたが、近年、水田転作作物としての導入に加え、収穫作業等の容易な平坦な水田で植栽される事例が多くなってきた。しかし、水田転換園では位の高さが樹の生育に及ぼす影響を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. @ 植栽1年目の幹周の肥大は地下水位20cm区で最も良いが、2年目以降20cm区は最も 肥大が劣った。植栽4年後の幹周が太かったのは地下水位60cm区や無湛水区であった(表1)
  2. A 新梢の生育は幹周の肥大と類似しており、植栽年は地下水位が高い20cm区で総新梢 長は最も長くなった。しかし、植栽4年後では地下水位60cm区が最も長く、次いで無湛水区であった(表2)
  3. B 地下部の重量は無湛水区で最も重く、次いで60cm区が重かった。地下水位20cm区は 明らかに地下部重量は軽かった。また、地下水位40cm区と20cm区では根の活性が低かった(表3)
  4. C 設定地下水位よりも深い位置には根の分布がまったくみられなかった(図1)
  5. D 以上の結果から、樹を健全に生育させるためには地下水位を60cm以下にする必要が ある。

[成果の活用面・留意点]

  1. @ 地下水位が60cmより高い圃場では原則としてウメを植栽しない。
  2. A 地下水位の高い圃場ですでに植栽されている場合は、明渠による地下水位の低下を地下水位60cmを目安に行う。
  3. B 地下水位が変動するところでは高畝に植栽し、畝間から地表水の排水に努める。

[その他]
研究課題名:ウメの需要増大にともなう安定供給のための着果管理・省力技術の開発  
予算区分 :国補(地域重要新技術) 
研究期間 :平成8年度(平成4〜7年)
研究論文等:ウメの若木の生育に及ぼす地下水位の影響、
            平成8年度園芸学会北陸支部発表要旨、1996  
       
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