ウメのネット収穫における振動収穫機の利用


[要約]
完熟ウメをネット収穫する際の残果処理に振動収穫機を用いることにより、作業効率が高まるとともに、歩留まりの高い高品質の一次加工品を生産することができる。
福井県園芸試験場・果樹研究チーム
[連絡先]0770-32-0009   
[部会名]果樹  
[専門]栽培   
[対象]果樹類    
[分類]普及   

[背景・ねらい]
完熟ウメをネット収穫して、高品質の一次加工品を生産するためには、累積落果率で約60%に達した時点で残果を一斉に収穫して直ちに塩漬けすることが重要である。そこで、残果処理に振動収穫機を用いたときの作業効率、果実品質などを検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. @ネット収穫果の一次加工品の歩留まりは収穫時期によって異なり、累積落果率で5〜60%の時期(平成8年は6月27日〜7月14日)に漬け込んだ果実は50〜53%と比較的高く、収穫末期のものは皮やぶれ等により歩留まりは低下した(図1図2)。したがって、ネット収穫果から、歩留まりの高い高品質の一次加工品を生産するためには、約60%落果した時期に残果を一斉に収穫してしまうことが重要である。
  2. A収穫日と傷果の発生の関係をみると、果実の品質を著しく悪化させる衝突傷は収穫日が遅くなるにしたがい少なくなり、また落果率も収穫日が遅くなると高まった(表1)
  3. Bネット収穫での残果処理の作業効率は、振動収穫機利用で74kg/hr/人、竹竿たたき落しで34kg/hr/人、手おとしで18kg/hr/人であり、振動収穫機は、竹竿たたき落しの2.2倍、手おとしの4.1倍であった(表2)
  4. C収穫した果実の傷の発生程度では、ネットのすり傷は各収穫法とも25%前後で大差はなかったが、一次加工品の品質に大きな影響を与える衝突傷は、竹竿たたき落しは2.7%、手おとしは1.0%であるのに対し、振動収穫機は0.8%で最も少なかった(表3)

[成果の活用面・留意点]

  1. @累積落果率で60%の時期は、開花盛期からの平均気温の積算値で約1,800℃に相当するので一斉収穫時期の把握に努める。
  2. A落果率を高めるために、骨格枝を配置する。
  3. B落葉を防ぐために振動時間は、1か所5秒以内とする。
  4. C本技術は「紅サシ」品種の収穫に適用する。

[その他]
研究課題名:ウメの需要増大に伴う安定供給のための着果管理・省力技術の開発
予算区分 :国補(地域重要新技術開発促進事業)
研究期間 :平成8年度(平成4〜8年)
研究論文等:なし
       
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