ウメ「紅サシ」のせん定期間の拡大


[要約]
ウメ「紅サシ」成木樹のせん定を7月下旬より連年実施しても、花芽着生や収量は慣行の冬季せん定と差がなく、7月下旬からせん定が可能である。
福井県園芸試験場・果樹研究チーム
[連絡先]0770-32-0009    
[部会名] 果樹 
[専門]栽培  
[対象]果樹類   
[分類] 普及    

[背景・ねらい]
ウメ栽培の経営規模が拡大するにしたがい、現行の落葉後のせん定期間だけでは十分 にせん定が行えないのが現状である。せん定期間を拡大する目的で7月下旬からのせん 定が樹体におよぼす影響を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. @ 不完全花発生率は7月下旬・8月下旬・9月下旬と慣行せん定にはほとんど差はなかった。結実率は年次間により差は大きいが、7月下旬・8月下旬・9月下旬せん定を行ったほうが慣行せん定に比べ、結実率は高くなる傾向であった(表1)。 
  2. A せん定実施5年後の樹冠面積は8月せん定で最も大きく、7月せん定で最も小さかった。発育枝発生本数は7月せん定で少なく、7月せん定では栄養生長が低下する傾向がみられた(表1)。 
  3. B 花芽着生密度は各枝長区分においてせん定時期による差は認められなかった。7月 と10月の葉の窒素含量はせん定時期による差は認められなかった。可溶性糖含量は9月せん定の10月の葉で高いものの、せん定時期との関係は認められなかった(表2)
  4. C 収量は9月下旬せん定で慣行せん定よりも低いが、7月下旬、8月下旬せん定は慣行せん定よりも収量は高かった。平均果実重はせん定時期による差は認められなかった(表3)

[成果の活用面・留意点]

  1. @ 7月下旬からのせん定は「紅サシ」の健全に生育している成木に実施し、せん定方法は慣行の冬季せん定に準ずる。  
  2. A 7月下旬、8月下旬せん定では結実が良く収量も高い傾向であるが、樹冠拡大や発育枝発生本数が少ないなど栄養生長が弱くなる傾向がみられる。このため、樹勢低下の兆候がみられたら、せん定時期を落葉後にする。  
  3. B 落葉前のせん定ではせん定程度が弱くなりがちであり、落葉期にせん定程度を確認し、仕上げせん定を実施する。 

[その他]
研究課題名:ウメの需要増大にともなう安定供給のための着果管理・省力技術の開発  
予算区分 :国補(地域重要新技術) 
研究期間 :平成8年度(平成4〜8年度)
研究論文等:なし
       
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