M字型潤土直播播種技術
-
[要約]
- 大区画圃場において、播種時に田面の用排水溝を同時施工して畦上に播種をする作溝同時播種機を開発し、迅速な水管理と安定した苗立ち及び耐倒伏性強化に効果があるM字型潤土直播播種技術を開発した。
石川県農業総合研究センター・企画経営部・経営機械科
[連絡先]0762-57-6911
[部会名]営農・作業技術
[専門]機械
[対象]農業機械
[分類]指導
-
[背景・ねらい]
- 北陸の重粘土大区画水田における直播栽培は、均平が困難なことから、土壌表面滞水により苗立ちが不安定で、また、現行の良食味品種を使うために倒伏し易い。そこで、苗立ちの安定とタコ足・浮き苗防止効果のある潤土直播に、迅速な水管理に有効とされる作溝を施すことで耐倒伏性の強化を図る。また、播種と同時に作溝できる高能率な播種機を開発する。
[成果の内容・特徴]
- @作溝同時播種機は、30cm間隔に作溝し、同時に畦上に播種する11条作溝10条帯状播種方式である(図1)。
- A形成された畦はその断面がM字型となり、溝は播種された畦上の種子に対して余分な滞水の排除と潤土保持のための補水機能を有する(図2)。
- B作溝により、田面高さ±3cm以内、播種時平均土壌含水比が100%程度の条件では、タコ足・浮き苗が防止され、出芽も安定する(図3、図4、図5)。耐倒伏性も作溝なしの場合に比較して、大きく強化される(図6)。
- C播種機の構造は、種子タンク、横溝ロールを用いた繰り出し部、種子導管、導管内の籾詰まりを防止する送風装置、田面を攪拌するレーキ、作溝安定のためのフロート及び船底型溝切り機からなり、乗用管理機の後部への着脱が容易である。
- D播種作業は、作業幅3m、平均作業速度0.70m/s、作業能率2h/haと、大区画圃場に十分対応できる。
[成果の活用面・留意点]
- @水稲の中間管理作業に利用できる乗用管理機に着脱が容易で、播種・施肥・除草・防除作業の機械化一貫体系が可能になる。
- A播種後1週間程度は、潤土管理を行い、種子を土壌表面に固定させる。
[その他]
研究課題名:重粘土大区画水田におけるM字型潤土散播直播栽培技術体系の確立
予算区分 :国補(地域基幹)
研究期間 :平成8年度(平成6〜8年)
発表論文等:特になし
目次へ戻る