砂質乾田における緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培のための生育診断法
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[要約]
- コシヒカリの全量基肥施肥栽培を導入する初期の段階で、収量と玄米品質を安定させるため、まず目標となる着粒数を設定する。目標着粒数を確保するために、幼穂形成期に草丈×茎数×葉色の値で生育診断を行い、栽培管理の指標とする 。
富山県農業技術センター・農業試験場・土壌肥料課
[連絡先]0764-29-2111
[部会名] 生産環境
[専門]肥 料
[対象]稲 類
[分類]指 導
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[背景・ねらい]
- コシヒカリに全量基肥施肥技術を導入する場合、当初2〜3年の期間では、施肥量の過不足により収量や品質が不安定になりやすく、その対応策を検討するためには生育診断技術が必要となる。緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培では葉色の推移が慣行の分施栽培と異なり、最高分げつ期から幼穂形成期頃まで濃く推移するため(図1)、従来の分施栽培を前提とした診断技術は、利用できない。そこで、砂質乾田における全量基肥施肥栽培を対象に、幼穂形成期における生育診断法を確立する。
[成果の内容・特徴]
- @精玄米重および玄米窒素濃度は、uあたり着粒数と正の相関を示す(図2、図3)。
- A完全粒割合は、uあたり着粒数と曲線回帰でき、uあたり着粒数が27000〜28000程度で最高に達する(図4)。
- Buあたり着粒数は、幼穂形成期における草丈×茎数×葉色の値と正の相関を示す(図5)。その回帰直線は、慣行分施の場合と明らかに異なる(図5)。
- C以上の結果より、収量、玄米窒素濃度および完全粒割合の目標を調整すれば目標とする 着粒数を設定することができる(図2、図3、図4)。例えば、3項目の目標を玄米窒素濃度 1.3 %以下(目標着粒数:28000粒/u以下)、完全粒割合80%以上(27000〜28000)、 収量550g/u(25000以上)の順で優先させると、目標着粒数は27000〜28000粒/uとな る。目標着粒数が決まれば、幼穂形成期の草丈×茎数×葉色の値を用いて稲体の生育を 診断することができる(図5)。
[成果の活用面・留意点]
- @地力の低い砂質乾田を対象に配合された肥料(速効性肥料、緩効性肥料のリニア40日タイプおよびシグモイド100日タイプの3種の窒素肥料を3:2:5に配合)を利用したコシヒカリの全量基肥施肥栽培に適用する。
- A葉色の測定は、葉緑素計(SPAD-502)を用いて主茎の完全展開第2葉を対象に行う。
- B診断により着粒数の不足が予測される場合には、着粒数の増加を目的とした追肥が必要となる。また、着粒数の過剰が予測される場合は、水管理や倒伏軽減剤によって過剰生育を制御する必要がある。
[その他]
研究課題名:肥効調節型肥料による高品質米生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成7年〜8年)
発表論文等:なし
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