水稲直播適応新品種「新潟30号」の育成
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[要約]
- 「新潟30号」は,新潟県では中生の偏穂数型に属する粳種である。強稈で耐倒伏性が強く,直播栽培でも倒伏し難い。外観品質・食味は共にコシヒカリ並で優れ る。平成9年から直播栽培用品種として普及に移す。
新潟県農業試験場・育種科
[連絡先]0258-35-0047
[部会名]作物生産
[専門]育種
[対象]稲類
[分類]普及
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[背景・ねらい]
- 新潟県では,直播栽培技術を省力・低コスト稲作のキーテクノロジーとして位置付けている。大規模農家や組織経営体等の規模拡大,並びに,作期拡大による機械施設の効率的利用と労力分散を可能とする技術として,平成12年には2 00haの普及を目標としている。本県の主力品種「コシヒカリ」は長稈で耐倒伏性が弱く,直播栽培は困難である。また,短強稈で耐倒伏性の強い「新潟早生」は直播適応性は高いが,「コシヒカリ」の収穫作業との競合や品質の変動が大きいという問題がある。
これらのことから,移植栽培の「コシヒカリ」と収穫時期が競合せず,高品質・良食味で耐倒伏性の強い直播適応性品種の開発が求められていた。
[成果の内容・特徴]
- @育成経過 昭和52年 新潟農試において「コシヒカリ」を母「新潟14号」を父として人工交配した。54年雑種第2代から4代まで世代促進栽培し,55年雑種第5代で選抜を開始した。以後系統育種法により選抜固定を図った。58年から生産力検定及び特性検定を行った。平成元年から「新潟30号」の系統名を付け奨励品種決定調査に供試し,地域適応性を検討した。6年からは直播適応性試験に供試し,7年から現地調査を行い,直播栽培での地域適応性を検討した。平成8年で雑種第17代である。
- A特性概要 草型は偏穂数型で 稈長はやや短い。出穂期,成熟期ともに「コシヒカリ」より3日程度早い中生であるが,5月中旬播種の直播栽培では5月上旬移植の移植栽培より10日程度遅い晩生に該当する。倒伏抵抗性はやや強であり,直播栽培における転び型倒伏にも強い。穂発芽性は難である。いもち病真性抵抗性遺伝子は 〓〓L〓 〓 を持つと推定され,圃場抵抗性は葉・穂いもち共に強である。玄米の外観品質は未熟粒が少なく,良い。食味は「コシヒカリ」並の極良である。収量性は「コシヒカリ」より高く,直播栽培でも安定して高い(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- @新潟県で平成8年度に種子対策品種に指定し,平成9年より高冷地を除く新潟県下全域で,直播栽培用品種として普及を図る。普及目標面積は200haである。
- A出穂期が8月20日を越えると登熟不良になることがあるので導入に当たっては注意する。
[その他]
研究課題名:水稲基幹新品種の育成,水稲新品種開発加速事業 新潟平坦重粘土水田における無代かき湛水散播による水稲直播栽培技術の確立(直播適応性品種の選定)
予算区分 :県単・経常,国補(地域基幹)
研究期間 :平成8年度(昭和52〜平成8年)
発表論文等:なし
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