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プレスリリース
平成19年10月 3日

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
                      中央農業総合研究センター北陸研究センター

食味に優れる夏そば新品種「なつみ」を育成

 北陸研究センターでは、夏から初秋に新そばとして提供できる食味の良い夏そば品種「なつみ」を育成しました。 夏そばは、そば需要の多い夏から初秋にかけて新そばを提供できるため、高い需要はあるが、秋そばに比べ食味が劣り、生産性が低いことから 栽培が限られています。「なつみ」は、熊本県では夏型の「キタワセソバ」に比べ食味に優れ、また、新潟県では「キタワセソバ」より製麺性 (麺帯形成性)に優れると評価されています。特性は「しなの夏そば」に比べ、草丈が高く、主茎節数、1株花房数がやや多く、子実重、 千粒重はやや少なく、容積重はやや重くなっており、製粉歩留りは同程度で、ルチン含量は多くなっています。
 本品種が、熊本県阿蘇、新潟県佐渡両地域に導入され、夏そばの生産拡大を通じ地域の農業生産の拡大、新たな観光資源としての活用が期待されます。

研究推進責任者
 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
          北陸農業研究監 宮井 俊一
研究担当者
  同 大麦研究北陸サブチーム 伊藤 誠治 TEL 025-526-3246

広報担当者
 同 企画管理部 北陸企画管理室 連絡調整チーム 山本 コ義
                    TEL 025-526-3215 FAX 025-524-8578

 本資料は、上越記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、農政クラブ及び農林記者会に配布しています。


【参 考】

《背景とねらい》
 国産そばは輸入そばに比べて風味が高く、嗜好の高級化傾向から実需者に高い評価を受けており、地域興しの一つとして、 地場産そばを使った手打ちそばの提供や、そばを原料とした加工品の販売などが増えています。夏そばは、そばの消費の多い夏場に新そばとして 提供できる点で利用価値が高いですが、従来品種では秋そばに比べ生産性や食味が劣るため栽培面積が限られています。一方、秋そばを貯蔵した 上での夏場の利用は収穫後の時間経過による品質低下が認められ、産地からは品質の良い夏そばが強く求められていました。そのため、夏から 初秋に新そばとして提供できる食味の良い夏そば品種を育成しました。

《成果の内容・特徴》
1.「なつみ」は1992年度に「テンピスト」、「キタワセソバ」、「夏そば」、「しなの夏そば」の混合交配を行い、その後代から育成されたそば品種で、生態型は夏型です(図1)。
2.開花期は「しなの夏そば」に比べ1日遅く、成熟期は5日遅いです。草丈、主茎長は「しなの夏そば」に比べ長く、主茎節数、分枝数はやや多いです。耐倒伏性は同程度です(表1図2)。
3.子実重、千粒重は「しなの夏そば」に比べやや少なく、容積重はやや重いです(表2図3)。
4.製粉歩留りは「しなの夏そば」と同程度で、ルチン含量は多いです(表2)。
5.熊本県では夏型の「キタワセソバ」に比べ食味に優れ、前年産の秋そば「阿蘇在来」と比較しても同程度です(表3)。また、新潟県では「キタワセソバ」より製麺性(麺帯形成性)に優れます(表4)。

《品種の名前の由来》
 夏に実ることから。


図1 「なつみ」の草姿(育成地、2006年6月)






図2 「なつみ」の草姿(左:なつみ、右:しなの夏そば、育成地、2006年4月播種)


図3 「なつみ」の種子の形態(左:なつみ、右:しなの夏そば、育成地、2006年4月播種)




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